F.Chopin 24Preludes G-dur / e-moll

ショパン24前奏曲 ト長調ーホ短調

無料サンプル音源 ショパン 24前奏曲 ホ短調  

ショパン自筆譜所蔵  ワルシャワ国立図書館
 

Pleyel 1831製 (ショパン本人使用) ピアノ音源。


────楽曲解説─────────────────


e-moll,  op.28-4  BI123  ホ短調

2分の2拍子 ラルゴ

構成 二部形式

T第一部(1〜12小節)
U第二部(13〜23小節)
Vコーダ(24〜25小節)


ラルゴ 2/2拍子 前の曲( op.28.no3)より前に作曲されたもの。
スケッチに書かれたものを書き写している。
自筆譜を見ると速度記号は、An-dante(アンダンテ)
としたあとそれをぬりつぶして、現在のLargo(ラルゴ)に変更。


カラソフスキーによって宝石に例えられた作品です。
左手が、半音で下降する伴奏和音にのって、絶望的な感情を
込めた旋律が2度現れます。
2度目には後楽節が変化しクライマックスを築きます。

またウィーン原典版では4分の4拍子となっています。
冒頭のエスプレシーヴォ (espressivo)の指示は重要であり、
エスプレシーヴォ(espressivo)という語は、前奏曲集全24曲
の中でこの曲だけに用いられ、動きの少ない嘆き悲しむ旋律と
冷酷に下降する和音のリズミカルとはいえない進行にも
かかわらず、この冒頭はニュアンスを、つけず奏するべき部分
とも言われている。


旋律の性質を伴奏における長いスラーから判断すれば
反対の印象をうけてしまうので、このエスプレシーヴォ
の指示は重要である。


冒頭から第8小節までの旋律にかかる長いスラーは、
8小節まで切れ目なく一気に演奏することを示します。


インパクトの強い一点嬰ト音には、自筆譜ではショパン特有の
長いアクセント記号が、つけられています。
(各原典版エディションによってこの部分の表記は異なる)

ナショナル エディション エキエル版
パデレフスキ版
ヘンレ版
ウイーン原典版

この部分は、この3つのアーティキュレーションだけではなく、
その分離された旋律の重要性を強調していると解釈
することもできます。

自筆譜のショパンのスラーの型は、しばしば旋律上のニュアンス
を示しています。
(前打音で始まる、19小節〜20小節にかかるスラーなど)


左手の伴奏にかけられた長いスラーは、左手の和音が
できるだけ途切れないように弾くことを指示してます。


────(2)デュナーミクについて──────────


一般的にデュナーミクの記号は、ニュアンスを示すものとして
重要なのですが9小節目16小節目のクレッシェンドや
ディミヌエンド記号はこの旋律曲線から判断し、一般的な
ニュアンスと捕らえてかまいませんが、8小節の長い
アクセントや12小節の1点ハ音につけられたアクセントや
12小節と20〜21小節のクレッシェンド記号は、すべて
この旋律の流れにそっての表現であるとうけとることもできる。

消えゆくような旋律に付けらた、21小節〜23小節の
スモルツァンドの自然なデュナーミクからいきなり起こる
23小節目の和声の使い方は意表をつくところがショパンらしい。

16小節18小節にわたるストレットは、16小節に始まる
クライマックスが19小節の前まで続くので、17小節か
18小節のはじめの部分でリタルダンドするのが自然であるが、
この自然の衝動には抵抗すべきであるという解釈もある。


────(3)ペダルについて─────────────


17小節と18小節目のペダルは現代のピアノでは手が
届かない和声の共鳴を支えているが17小節目では、
フォルテも強調していると解釈したほうがよい。

17小節〜18小節にショパンがペダル記号をつけて
いなかったのは、和声が変わるごとにペダルを踏みかえるのは
当然の事と考えそれを記譜する必要は無いと考えた
と思われる。彼が記したわずか2箇所のペダル使用以上に
ペダルが要求される。


和声的及び旋律的な要素が微妙に融け合ったこの曲に、
ペダル記号を書いていないのは、非和声音の解決ではペダル
を踏むと考えたためと解釈してもよい。


コルトー(Cortot)は、ヴォルデモーザの僧院における
ショパンの部屋が反響が多いので、彼のピアノの響きが騒音
に近い音になってしまった事が影響してると述べている。

現在の演奏でもコンサートホールの影響を無視する
ことはできず、この説も案外的を得ている可能性も高い。

1849年ショパンの葬儀ではオルガンで奏されました。

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