幻想即興曲 弾き方

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Chopin Piano Style Web

楽譜屋から見た幻想即興曲op.66の弾き方を整理してみます。随時改訂していきます。


Chapter

  1. ■楽譜を選ぶ■
    1. 原典版(Urtext)とは
    2. 新原典版資料
  2. ■ 演奏のポイント ■
    1. 楽曲の流れと弾き方のポイント

楽譜を選ぶ

◇原典版(Urtext)とは

原典資料に基づき厳密に提示することを目的とした楽譜です。ショパンの楽譜の場合は自筆譜と初版に基づくとして1949年から出版されたPaderewski版が 最初の原典版という事になります。Urtextという言葉は使用されてはおらず、Urtextと銘打って出版されたのは1956年、Ewald Zimmerman校訂のHenle版です。 その後1973年あたりからWiener Urtextが出版されて一般化し現在に至ってます。ショパンの最初のナショナルエディションであるPaderewski版は出版された当時から 問題点が指摘されていたため、ポーランドが国家事業として再度出版に取り組んだのがJan Ekier校訂のNational Editionです。このNationalEditionで最初に出版されたのは 1967年出版のBalladesです。その後半世紀たった現在2010年に全楽曲が完成しました。幻想即興曲は Ekier校訂のNational Edition ではSeries B(遺作集はSeries B)に収められていて、Paderewski版のように即興曲集には収録されていません。このサイトで使用しております楽譜もJan Ekier校訂のNational Edition 「ショパン : 死後に発見されたピアノ作品集」です。 しかし値段がなぜか高いので、お勧めは、Wiener Urtextです。こちらもJan Ekier校訂ですし 幻想即興曲を比較検討しました。こちらの方が日本語訳もあります。より詳しいような気がいたします。もちろん音符や記号など問題は無いと判断しお勧めします。ウィーン原典版(58) ショパン 即興曲集

独学で勉強なさっている方の場合、幻想即興曲だけ弾ければいいという方もいらっしゃいます。その場合実用版タイプの参考書として使える書籍が便利です。最近出版された書籍を紹介いたします。とても丁寧に教授されていてCD付きです。

ショパン その正しい演奏法

ショパン その正しい演奏法

ショパン その正しい演奏法その演奏法 間違っていませんか? ショパン その正しい演奏法 -楽曲の背景・解説と分析・演奏のポイント 「小犬のワルツ」の最初のトリル、間違って弾いていませんか?「幻想即興曲」の右手と左手のリズムを合わせるための練習方法は?ショパンを正しく演奏するために必携です! ショパンの人気作品7曲について、楽曲の背景、解説と分析、演奏のポイントを詳しく掲載。学習者はもちろん、指導者にとってもショパン演奏をステップ・アップさせるためのヒントが満載の内容です。参考演奏CDと、フルサイズ楽譜(演奏のポイント入り)が付いています。 [曲目] 全7曲 [1] 小犬のワルツ [2] 幻想即興曲 [3] ポロネーズ第13番 変イ長調(遺作) [4] マズルカ第5番 [5] エチュード 作品10-4 [6] エチュード 作品25-1 [7] スケルツォ第2番

     

※よく聞かれるのですが、ショパンの幻想即興曲を演奏するレベルは、ツェルニーの何番が弾けるレベルなら大丈夫ですか?
      
       ツェルニーは基本的にベートーヴェンソナタを弾く過程において重視すべきエチュードです。ショパンにはあまり関係のない教本ですので
       できれば、予備のエチュードを勉強なさる方は、ツェルニーではなくクレメンティーの前奏曲を薦めます。
       ショパンが弟子のレッスンで必ず使っていたといわれる教本ですが、とてもよく出来ていて、ショパンピアノを演奏する予備連中としては
       期待できる効果をあげてくれます。 全音出版社から出版されています。「クレメンティ 前奏曲と音階練習曲集」です。
       ショパンはこの楽曲の中で特に「変イ長調プレリュード」のレッスンにうるさかったと言われています。
       
      難易度 どんな曲でも同じだと思いますが、どのレベルで弾けるのか?という事になると思います。
            例えば、友人の集まりなどでちょっとピアノを聴かせるというレベル、お教室のピアノ発表会で演奏するレベルとピアニストが
            ピアニストとして人前で演奏するレベルでは、同じ曲でも、難易度は全く違います。
            演奏できるというレベルは、手が届けば、小学生でも弾くことは可能です。ブルグミュラーが終了したレベルで十分演奏できる 
            楽曲ですし、暗譜もインパクトのある曲なのでそれほど難しく感じる事は無いと思います。

◇新原典版資料

新原典版作成主要資料となったのは1962年にアルトゥール・ルビンシュタインが発表したものである。この原稿は、デステ夫人のアルバムに記入されていたもので、第一ページの右上に献呈の辞 Compose pous Madame la Baronne d'Este par FF Chopin,終わりに日付:Paris Vendredi 1835と書かれた自筆清書譜である。過去に原典とされた筆写譜と比べて、著しく改良されているので決定稿と見なされた。

エキエル版以前の原典資料となっていた、フォンターナ版 (ベルリンのシュレジンガー社から1855年に発売された初版譜)はアメリカシカゴ大学のショパン楽譜資料で閲覧する事ができるのでそちらも一見いただきたい。 また原典資料の詳しい経緯に関しても、お勧めしている音楽之友社出版の Wiener Urtext Ekier Chopin Impromptusの注解をご覧いただきたい。

■ 演奏のポイント ■

◇ 楽曲の流れ

この曲の主調である嬰ハ短調のX音ソ#オクターブ音の重圧な響きから始まります。この音はとても大切に弾いきます。幕を上げるかのように踏み込んだペダルを上手に上げましょう。姿勢は後方に背筋を伸ばしながら、深呼吸します。、ソ#のオクターブの音のウネリ(ピアノは平均律で調律されているためオクターブであっても微妙にズレておりウネリが生じます)5,6回分を目安に次アルペッジョに移ります。

  1. 1小節目のポイント 全音符のソ# 上記に記した部分です。
  2. 3小節目の6連音
    これは簡単です。ポイントは3(ソ#)の指を支え(軸)に使い手首の回転で弾けば手が小さくでも楽になります。指番号は5,(3),2,12,(3)となり、(3)の指に意識を集中しておけば、リズムがブレません。
  3. 5小節目からの左右のバランス
    ネットでよく書かれているのを拝見する事が多い部分です。複合リズムという事で躊躇するらしいのですが、この音の並びをハノン指練習曲集のレッスンのように左右合わせて弾くと気持ち悪いですよね。逆にいえばハノン練習曲のレッスン時に先生に怒られてしまう弾き方になればよいのです。(左右がズレながらもたまに一致する事があるハノン練習曲のレッスンだと、とんでもなくドヘタな演奏)なのでアバウトに弾けばよいと書けばよいのですが、なぜか我が国の人はマジメな方が多く、そういうのは納得いかないという頭の固さがあるので、"具体的"に説明します。まず左右の音が一致する箇所を確認しましょう。1拍目(ここは右は休符ですが)2拍目、3拍目、4拍目です。頭にこの一致させるポイントを入れておきます。最初に左ド#の音を弾いてすぐに、右ソ#の音をいれます、次に左手のソ#、右手のド#と交互に弾きながら音のズレを楽しみます(ゆっくり弾いても心地よくまるでコダマを聴いてるかのように)次に左右の音を一致させます。あとも同じです。ポイントは左右の一致する部分にアクセント記号がありますので、それを利用します。 楽譜をスロー再生いたしますので、左右の音のバランスをよく聞いて参考にしてください。
  4. ※パデレフスキ版他ちょっと前の原典及び実用版にはアクセント記号は記載されていません。
  5. 左手の歌わせる音(最高音のミ)と右手の重なる音がシッカリ合っていれば、キレイに聴こえます。
  6. 13小節目 右手の1指で弾く、ソ#、ファ#、ミ#、ファ#、ド#、レ#、ミ、ソ#という旋律はキレイに音を際立たせるように意識しましょう。
最終更新 2012年5月12日  随時改訂していきます。